石灰・ドロマイトは、製鉄やセメントをはじめとして、化学、土木建築、食品、医薬品等の各種産業分野で幅広く使用されており、私たちの生活に欠くことの出来ない重要な資源であります。
当社ではお客様からのご要望やお問い合わせに応じて、石灰・ドロマイトを中心とした様々な研究により、新しい製品を開発しております。
ゴミ焼却施設で発生する酸性ガスの除去には高反応性消石灰が使用されており、水酸化ドロマイトの使用例はない。そこで、高反応性消石灰と同様の条件で水酸化ドロマイトを作製し酸性ガス除去試験を行った。なお、酸性ガスはHCl:1,000 ppm、SO2:100 ppm、N2:Balance、水分:20%として反応温度170℃で試料と反応させた。試験結果を以下に示す。水酸化ドロマイトの酸性ガス除去性能は高反応性消石灰以上で酸性ガス除去剤として有効であり、実用化に向けて検討中である。本研究は日本大学との共同研究である。
HCl除去試験の結果
SO2除去試験の結果
板状形態のゼオライト粒子内に、紫外線吸収能を有する酸化セリウムナノ粒子を均一分散させた、板状紫外線遮蔽材を開発した。化粧品用途等への応用展開を検討中である。
ナノサイズ酸化セリウム分散ゼオライトのSEM写真
ナノサイズ酸化セリウム分散ゼオライトのTEM写真
本研究成果の一部は,独立行政法人科学技術振興機構 研究成果展開事業 A-STEP フィージビリティスタディ シーズ顕在化タイプにより実施されたものである。
『カラム試験によるヒ素吸着材の評価』(2018年)
『水酸化ドロマイトによる酸性廃水中和時のスラッジ削減』(2015年)
『焼成ドロマイトの初期水和に及ぼす粉砕の影響』(2017年)
『ドロマイト系放熱フィラーとその熱伝導特性』(2017年)
『焼成ドロマイトの初期水和挙動』(2016年)
『酸性廃水中和への水酸化ドロマイトの適用』(2015年)
『水酸化ドロマイト系処理剤による有害物不溶化』(2015年)
『水酸化ドロマイト系酸性ガス処理剤によるコスト削減』(2016年)
『水酸化ドロマイトの酸性ガス除去性能』(2015年)
『金属等含有掘削土対策における人工資材の化学的寿命評価法の確立に向けた研究』(2021年)
『ドロマイト系環境浄化剤によるヒ素の収着』(2017年)
『Insolubilization of harmful elements with dolomite-based material』(2018年)
『Thermal Conductive Filler derived from Dolomite and Its Thermal Conductive Properties』(2018年)
『ドロマイト系材料による環境修復技術』(2016年)
『重金属等含有掘削土対策における人工資材寿命予測のための地球化学コードの適用-人工資材の溶解度評価-』(2020年)
『As含有掘削土に対するpHに着目した人工資材の寿命予測』(2022年)